やさしい税務会計ニュース
やさしい税務会計ニュース
文書作成日:2022/01/25
確定申告で住宅ローン控除の適用を忘れてしまった場合に、更正の請求を行えるか

[相談]

 私は一昨年11月に新築マンションを購入し、同年12月初めに引っ越しを行い、そのマンションでの居住を開始しました。
 そのマンションの購入については住宅ローンを組んでいるため、昨年申告した一昨年分の所得税の確定申告にて、事業所得の申告とあわせて住宅ローン控除の適用を受けようと考えていたのですが、確定申告書に住宅ローン控除の適用を受けるための記載をすることや、必要な書類の添付をすることをうっかり忘れ、そのまま申告してしまいました。
 そこでお聞きしたいのですが、私は一昨年分の所得税確定申告について、「更正の請求」を行うことで住宅ローン控除の適用を受けることはできるのでしょうか。


[回答]

 住宅ローン控除については、残念ながら更正の請求を行うことはできないこととされていますが、税務署の判断により適用を受けられる場合がありますので、一度、所轄税務署に相談されることをおすすめいたします。


[解説]

1.住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)制度の概要

 所得税法上、個人が、国内において住宅の取得等をして、これらの家屋を令和3年12月31日までの間にその人の居住の用に供した場合において、その人がその住宅の取得等に係る住宅借入金等の金額を有するときは、原則として、その居住の用に供した日の属する年以後10年間の各年のうち、その人のその年分の合計所得金額が3,000万円以下である年については、その年分の所得税の額から、住宅借入金等特別税額控除額を控除することと定められています。

 この制度を、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)といいます。

 この住宅ローン控除は、所得税の確定申告書に、原則として、住宅ローン控除の規定による控除を受ける金額についてのその控除に関する記載があり、かつ、その金額の計算に関する明細書、登記事項証明書その他の書類の添付がある場合に限り、適用するものと定められています。

2.住宅ローン控除の適用漏れについての更正の請求の可否

 税法上、納税申告書を提出した人は、その申告書に記載した税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったり、その計算に誤りがあったりしたことにより、その申告書の提出により納付すべき税額が過大であること等の場合に該当するときは、その申告書の法定申告期限から5年以内に限り、税務署長に対し、その申告について「更正の請求」を行うことができると定められています。

 しかしながら、住宅ローン控除のように一定事項の申告等を条件に所得金額、税額の減免をすべきものとされているものについてその申告等をしなかった人については、その申告自体が法律の規定に従っていなかったり、計算に誤りがあったりしたわけではないことから、その特例の適用を求めるために上記の「更正の請求」をすることは許されないと解されています。

 一方で、税務署長は、確定申告書の提出がなかった場合や、確定申告書に住宅ローン控除に関する事項の記載や、必要書類の添付がない確定申告書の提出があった場合においても、その提出等がなかったことについてやむを得ない事情があると認めるときは、その記載をした書類等の提出があった場合に限り、住宅ローン控除の規定を適用することができる、とも法律で定められていますので、今回のご相談の場合には、まずは所轄の税務署に一度相談されることをおすすめいたします。

[参考]
通法23、措法41、国税不服審判所公表裁決事例(平成19年2月19日裁決)など


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。
お問合せ
税理士法人 西濃会計事務所
〒503-0805
岐阜県大垣市鶴見町283-1
地伸ビル3階
TEL:0584-78-4353
FAX:0584-75-3990
メールでのお問合せ