やさしい税務会計ニュース
やさしい税務会計ニュース
文書作成日:2021/06/15
暗号資産(仮想通貨)取引で生じた損失の取扱い

[相談]

 私は、昨年(2020年)から個人での仮想通貨(暗号資産)取引を開始したのですが、今年の相場急落により、多額の損失を被りました。
 その損失(確定した損失)の税務上の取扱いについて、@翌年以降への繰り越し、AFX取引による雑所得との損益通算、B雑所得以外の他の所得(給与所得など)との損益通算について、それぞれの可否を教えてください。


[回答]

 ご相談の@からBについては、いずれも行うことはできません。


[解説]

1.暗号資産の所得区分

 暗号資産(以前は「仮想通貨」といわれていましたが、2020年5月1日より「暗号資産」へ呼称変更されています)取引により生じた利益の所得税法上の所得区分は、原則として、「雑所得」に区分されます。

2.暗号資産取引により生じた損失の翌年以降への繰越の可否

 所得税法上、FX取引などの先物取引の差金等決済により生じた所得について確定申告書を提出する納税者が、その年の前年以前3年内の各年において生じた先物取引の差金等決済による損失の金額を有する場合には、原則として、その先物取引の差金等決済による損失の金額に相当する金額は、その確定申告書による年分の先物取引に係る雑所得等の金額を限度として、その年分のその先物取引による雑所得等の金額の計算上控除すると定められています。

 言い換えますと、FX取引などの先物取引の差金等決済により生じた損失については、その損失が生じた年の翌年以後3年間にわたり繰り越すことができるということです。

 ただし、上記の制度は暗号資産取引による雑所得に関しては存在しませんので、ご相談の損失については、所得税法上、翌年以降に繰り越すことはできないこととなります。

3.暗号資産取引による損失と他の所得との損益通算の可否

 所得税法上、FX取引などの先物取引による所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、その損失の金額は、先物取引による所得の金額から控除すると定められています。

 言い換えますと、先物取引による所得の金額の計算上生じた損失は、先物取引に係る雑所得等以外の所得との損益通算はできないということです。

 上記のような制度は、2.と同様に、暗号資産取引による雑所得には存在しません。

 また、暗号資産取引による雑所得と暗号資産取引による雑所得以外の所得との損益通算を認めるという他の規定も存在していませんので、今回のご相談のA、Bにある暗号資産取引による雑所得以外の他の所得との損益通算はできないこととなります。

 以上より、今回のご相談の@からBについてはいずれも、ご相談の暗号資産取引で生じた損失について行うことはできないこととなります。

[参考]
所法69、措法41の14、41の15、措令26の23、国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱いについて(情報)」(令和2年12月18日)など


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。



香典返しの購入費用と相続税2021/06/08
メール添付で受領した請求書等の2022年1月1日以後の取扱い2021/06/01
扶養親族が障害者である場合の、給与計算上の扶養親族等の数2021/05/25
固定資産税精算金がある場合の、空き家に係る3,000万円特別控除適用への留意点2021/05/18
青色事業専従者だけに掛けた定期保険の保険料の取扱い2021/05/11
特例措置により事前に休業等計画届を提出していない雇用調整助成金の収益計上時期2021/05/04
暗号資産(仮想通貨)同士の交換を行った場合の所得税の課税関係2021/04/27
相続税の障害者控除が適用できない場合とは2021/04/20
民間金融機関による実質無利子・無担保融資により受給した保証料補助に関する収益計上時期の取扱い2021/04/13
少額短期保険契約の保険料は生命保険料控除となるのか否か2021/04/06
延長された、青色事業専従者届の提出期限2021/03/30
新型コロナウイルス感染症特別利子補給制度に係る利子補給金の収益計上時期2021/03/23
療育手帳の交付を受けている人の障害者控除額2021/03/16
従業員へのテレワーク費用支給と現物給与の関係2021/03/09
2月15日以前に提出した所得税確定申告書の取扱い2021/03/02
お問合せ
税理士法人 西濃会計事務所
〒503-0805
岐阜県大垣市鶴見町283-1
地伸ビル3階
TEL:0584-78-4353
FAX:0584-75-3990
メールでのお問合せ