やさしい税務会計ニュース
やさしい税務会計ニュース
文書作成日:2018/03/20
医療法人との産業医契約と源泉所得税

[相談]

 当社は建設コンサルタント業を営んでおります。
 当社の総従業員数は100人ですが、事業場ごとの労働者数は本社40人、2つの支店がそれぞれ30人ずつのため、労働法令上、産業医を選任する義務はありません。

 しかし、当社は従業員の残業時間が同業他社と比べて非常に長いことから、従業員の健康管理と福利厚生充実のため、産業医を選任して健康相談等を行ってもらうこととしました。その産業医は、近隣の医療法人に依頼して、勤務医を派遣してもらう予定です。
 その医療法人に対して支払う産業医報酬について、源泉所得税の徴収や納付は必要でしょうか。


[回答]

 税務上、医療法人がその勤務医を産業医として派遣した対価として受領する委託料は、医療法人のその他の医業収入となるものです。したがって、ご相談の場合には所得税の源泉徴収の必要はありません。


[解説]

1.産業医とは

 労働安全衛生法により、常時50人以上の労働者を使用する事業場においては、事業者は医師のうちから産業医を選任しなければならないこととされています。

 この「50人以上の事業場」とは、法人単位ではなく、本社、支店ごとに判定します。なお、常時50人以上の労働者を使用しない事業場であっても、任意で産業医を選任することは可能です。


2.産業医報酬の所得税法上の取扱い

 医療法人と産業医契約を締結し、産業医を派遣してもらった場合に支払う産業医報酬は、医療法人の事業収入となるものです。

 この点、契約先が最近個人から法人成りした場合などには、従前と同様に産業医報酬から所得税を源泉徴収した上で個人口座に振り込んでしまっていた、などの事務処理誤りが散見されます。その場合、相手方医療法人にとっては、法人の収益計上漏れにつながる恐れもあるため、契約書等で相手方が医療法人なのか、個人開業医なのかをしっかりと確認するようにしましょう。


参考条文等:国税庁消費税質疑応答事例「産業医の報酬」、安衛法13など


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
  本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。
お問合せ
税理士法人 西濃会計事務所
〒503-0805
岐阜県大垣市鶴見町283-1
地伸ビル3階
TEL:0584-78-4353
FAX:0584-75-3990
メールでのお問合せ